ポロロッカの卵

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新たな視点から物事を見つめ直す新感覚横丁人情ブログ

ポロロッカの卵

壁を砕けば砕いた手が砕けるぐらい戦って来た話

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こんにちは。

 

理系のポロロッカです。

 

 

前回に引き続き、音楽の話をしようと思いますが、先に断っておきたいのは、僕は音楽についてはドがつく素人ということです。ど素人なのです。ブシロードみたい。だからあまり信憑性のないことばかり言うかもしれませんがそこはそういうことだと飲み込んでおいて下さい。

 

前回のブログを読んでない人はそちらもぜひ↓

 歌詞の話 - ポロロッカの卵

 

 

さて、今回は歌詞と楽曲の壁を壊す、理系的な音楽の楽しみ方の話です。

 

僕はドラムをかじっているのですが、どの楽器においても大事だけどドラムは特に意識しなくてはいけない事項に「抑揚があります。

抑揚というのは、ここは盛り上げたいからフォルテシモ、ここは落ち着かせたいからピアノ、というようないわゆるオシドコロとヒキドコロのそれです。一般的にはサビを上げてA,Bメロは下げる風潮があります。

個人的にこの抑揚というのが大好きです。

というのもCDなどの音源ではなかなか抑揚は伝わらないもので、実際にライブハウスに行ったりして生の演奏を聴いた時にサビで鳥肌が立つ感覚が抑揚のパワーだと思ってもらえれば皆さんも大好きだと思います。

サビで鳥肌が立つ、と言いましたが、それは抑揚の「揚」の部分だけですね。その「揚」を「揚」たらしめるのは「抑」があってこそです。ヒキドコロあってのオシドコロ。日暮里あっての西日暮里みたいなもんです。

まぁそんなわけで抑揚が好きなポロロッカなのですが、他人の抑揚のついた演奏を聴くことでも快感は覚えますが、やはり自分で抑揚をつけて演奏するのが一番キモチイイです。そして「A,Bは落としてサビをあげる」というだけの世論だけではつまらないので、もっと細かい抑揚をその曲ごとに考えるのが一番キモチヨクなります。キモチワルイネ。

 

といってもそんな曲ごとに変えられるかというとそういうわけでもなくて、基本的な型は決まっております。それは、「各バースの最後の部分を次のバース頭に向けて合わせに行く」といういわゆる階段を作るというやつです。

例えば、Bメロでむちゃくちゃ落としていたのにいきなりサビで上げると、それはただただびっくりしちゃいます。Bメロの最後で「来るぞ、、来るぞ、、、」感を出すからこそサビが来た時の高揚感があるのです。

まぁこんなことはあまり言わなくても大体わかると思います。音楽やってる方なら知ってるかもしれませんが、ドラムでその役割をするのが「フィルイン」と呼ばれるものです。隙間に階段をつくる。隙間を埋めるから、フィルにインする、フィルイン。あれはそういう役割を担ってます。

 

で、ってなると細かい抑揚を考えるってのはフィルインを考えるってことなのかいお兄さん?と思われたかもしれませんが、違います。僕はもう一歩踏み込んだ、「各バース内での抑揚」を考えたりするのにハマっています。サビの中での抑揚とかです。と言ってもこれの中身は先程の「バースを繋げる抑揚」と同じことをしてます。

 

 

でね。フィルインってのはただ上げればいいってもんじゃなくて、その上げ方に意味があると思っています。

 

たとえば一次関数的に、直線的に上げるよりも、二次関数的に、上がり具合自体が上がっていくように上げるのの方が こう グッとくるものがありますし、そこに波動関数も組み込むと、より こう グッとくるものがあります。

 

もっと数学的に説明します。理系なので。

まず抑揚の関数をf(x)とします。ここではフィルインだけに目を向けて定義域を設定してください。

そしてその上げ具合なんですが、f'(x)が正の定数だと、ほんっとにすごく単調なしょうもない上げになります。
そこでさっき言ったように、f(x)は二次関数的な上げが最適です。というわけでf''(x)>0ということになりますね。
本当ならこれだけでも十分美しいクレッシェンドになっているのですが、そのクレッシェンドの中にも抑揚があると、すごく深みが出て来ます。ドラムのアップダウン然り、ギターのストローク然り、奇偶によってニュアンスが生まれた方がGoodです。
そこで、f''(x)>0という条件を一旦置いておいて、それを絶対値的に扱った上での波動関数を導入しようと思います。
というわけで、一番スタンダードな波の式cos関数をここにかけます。
その際、常にf(x)が非負値を取るように、コサインカーブを+y方向に平行移動させておきましょう。切片は1にすることで、全てが非負値をとるようになります。
それではこれらをまとめて、
f(x)=Ax^2{-cos(Bx)+1} (A,Bは定数)
が完成しました。これが抑揚の関数です。

ちなみに概形がこれっぽくなりゃいいというだけで、絶対にこの式にならなければいけないわけではないのでご了承を。

このグラフを図示すると、大体こんな感じです

 

f:id:Pororo-CA:20170127213936j:image

このような形の抑揚の形が、僕は個人的にすごく美しいと思います。

 

 

 

 

 

って俺はこんな話をしたいんじゃない。

 

今日の本題は、歌詞と楽曲の壁を壊すってやつです。忘れかけてた。それについて話します。

 僕は先ほど、「曲ごとに抑揚を考える」と言いましたが、それが歌詞と楽曲を繋げる手段です。

 

歌詞には、言葉があります。言葉は、力を持っています。1つ1つの単語、さらには一文字一文字に力があります。それの力の種類を、自分の中で定義します。

たとえば、タ行とダ行はアタッカーだったり、サ行は水タイプだったり、ア行は少しおバカさんだったりというように、文字ごとのイメージを作るのです。これは僕なりに決めていて、そして一応科学的にも根拠がありますが、まぁ大体はイメージです。

 

で、その定義に従い、歌詞を捉え直します。

一概にはうまいこといくとは言い切れないしむしろそんなことを考えて曲の歌詞っていうのは出来てるわけじゃないから基本的になんとも言えない結果になるけど、たまに面白いストーリーができたりした時は1人でニヤリとしてしまいます。キモチワルイネ。

 

最近も、そんなことをしていました。僕の中でのこの文字ごとの定義は、昔あるアーティストのブログで「こんなことを使って歌詞を書くことがある」と言っていたのを読んで感銘を受けて僕もそれを気にかけるようになって、定めたものです。そして、そのアーティストの最新曲で、その定義に当てはめるとおもしろい抑揚が生まれる部分を発見しました。

 

 

QOOLANDというバンドの「凛として平気」という曲に、その一節は出て来ます。その歌詞が、

 

壁を砕けば砕いた手が砕けるぐらい戦ってきた

 

というものです。

 

この歌詞は、2種類のメロディで展開されるサビの前半の、さらにその真ん中の繋ぎ目の直前に出て来るのですが、

普通そんなサビの最中はのぺっとビートが刻まれたまま流れていくものなのですが、ここの部分はスタッカートからの上げ という超スタンダードに上げていくフィルインが入っています。そしてそこにこの歌詞がある。この歌詞をよく見てみました。

 

ビートは基本的に4の倍数で繰り広げられていくので、まずはこの歌詞を4つに分けます。すると、

 

壁を砕けば / 砕いた手が / 砕けるぐらい / 戦ってきた

 

という風になります。では、文字の中で最強クラスのアタッカー、タ行とダ行の存在数を確認して見ましょう。すると、

 

かべをくけば / くたてが / くけるぐらい / たた

 

 1→3→1→5

 

1 3 1 5という推移。

 あまりピンとこないのでグラフ描画アプリで1 3 1 5という推移を描画してみました。

 

それがこちら

 

 

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あ、

 

あぁ、

 

 

あぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!

f:id:Pororo-CA:20170127214751j:image

 

著しく似ています。

 

ということで、この歌詞のバックにあるクレッシェンドには、こんな意味が含まれていたのです。そうなるとあのサビ真っ盛りの時の抑揚にも頷けます。

 

 

今見てもらったのは一例ですし、全てがこう上手くいくわけではありません。でも、こういう風に考えながら音楽を聴くのも楽しいです。

 

更にこうすることで歌詞と楽曲の壁を壊すことができました。一石二鳥。

つまりこの理論が世間一般で受け入れられれば、歌詞派と楽曲派の戦いにも終止符が打たれるかもしれません。

僕はそのためにもこの理論を広げたい。だから戦い続けます。歌詞と楽曲を隔てる壁を砕いて、砕いた手が砕けるぐらい、戦っていきます。